以前は、比較的どこの家庭でも、お通夜に来た人に対して通夜振る舞いを行っていました。わざわざ足を運んでくれた参列者に対して、何かしらのもてなしをする家庭がほとんどでした。また、当時は隣組制度の根強く残っていたことから、近隣に住む主婦などが手伝ってちょっとした軽食をこしらえました。
しかしながら、次代の変化に伴い、通夜振る舞いを行うところも少なくなってきました。隣組制度が仕出しやに取って代わり、また、それすらも近年では見かけなくなりました。その理由としては、葬儀が年々縮小化されていることが関係していると言えます。
その要因の一つに、核家族化が関係していると言えます。それというのも、家族の規模が小さくなって人と人とのつながりが希薄になってきていて、お通夜に参列する人も年々減少傾向にあります。また、家族が自らの意思で葬儀の規模を縮小し、家族だけで執り行う家族葬という形で葬儀を実施するケースが増加しているからです。
そのために、葬儀にはあえて人を呼ばずにこぢんまりとしめやかに葬儀を行い、後から喪中はがきでお知らせをするという家庭が都市部を中心に増えています。そうした傾向もあって、通夜振る舞いは見られなくなりました。