2021年03月20日

生活の簡素化、付き合いの希薄化で放棄される墓参り

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昔から先祖を敬う習慣があり、最近、亡くなって葬儀を済ませた故人の命日、あるいは彼岸など、季節の節目の日に近親者と共に先祖の墓参りする人が多くいるはずです。また、墓参りの前には皆で墓の掃除をする習わしが続いてきたのできれいな墓が多いはずです。

近親者の一部が遠く離れている場合にはお互いの都合を調整しあってきました。普段のご無沙汰を埋め合わせる意図も含めて墓前に全員が集合して先祖の冥福を祈ろうとする気持ちがありました。ところが、長く続いてきたこうした習慣は少子化により先祖代々の墓を引き継ぐ人のいなくなってきたことで様子が変わってきました。

更に、近年の日常生活全体にわたる経済性優先の簡素化や近親者同士の付き合いの希薄化指向の影響がこの傾向に拍車をかけたようです。次第に近親者が一堂に会して旧知の仲を温めて楽しいひと時を過ごす気持ちも薄れてしまい、墓参りする回数も減ってしまったようです。

近親者の葬儀が終わってしばらくは墓参りを行っていても次第に足が遠のいてくる様子は各地の墓地で草ぼうぼうの墓が増え出している状況で見て取れるようです。一昔前なら皆で一緒に掃除できない場合は業者に掃除を代行してもらい、花を飾って線香を手向けてもらっていました。

ところが、最近はそれもなくなり、荒れ放題のままになる墓が増えています。荒れ放題になる前に墓じまいするケースが増えてきましたが納得できそうです。