お墓は自分の人生の終着点です。安らかな最後をと願えば凝りたくなるのは当然ですし、自分が望んでいるデザインを受け入れてもらえる場所を探し求めるのもわかる話です。ですが、墓は子々孫々と連なる親族が通うことになるものであると理解し、一歩下がって考える必要があることも確かです。
留意すべきこと、それはお墓参りです。そのほかにも西洋風のお墓がいいからここにしよう、ここが安いから、という考えでは自分はともかく後によくないものを残す可能性があります。それは決して悪いと言えるものではなくとも足が遠のく可能性があるというのは大きな問題です。
死者を想うという残された家族や親族の活動が制限されるかもしれません。ご高齢の方には階段は大変です。関節リウマチなど患っていれば杖は必須ですし、手すりがあるかどうかでもぐっと訪れる気分になるかどうかが関わってきます。
車でこられるかどうかは、当然として駐車場からまず坂があり、階段があるとなれば難しく、今の時代高齢者の運転という危険をおかさないために免許の返納ということも珍しくなく、その場合はタクシーを使うのでなければ公共の交通機関に頼る必要が出てきます。そうした残された人への気遣いもまた、墓選びという終活の一種といえるでしょう。